日本の企業の約8割は、60歳定年制を採用しているのである。
高齢者雇用安定法により、定年となったとき、同じ会社で引き続き働きつづけるか=再雇用、退職するかを判断しなければならない。
再雇用制度について考えてみよう。
再雇用後の身分
「シニア社員」などと呼ばれるが、定年後に再雇用される人は、一般的には、「嘱託社員」と言われる。
再雇用社員の身分を区分する必要があるのは、正規社員と区別して、待遇に差をつけるからです。
再雇用の3つのルール
- 原則として希望社員全員は、65歳まで雇用の機会が与えれる。
- 再雇用社員の労働条件は、正社員と同じでなくてもよい。
- 再雇用社員は、正規社員と比較して、「不合理な労働条件」が禁止されている。
知っておきたいこと
再雇用の機会
再雇用の機会は、希望した60歳になったすべての社員であるが、原則65歳まで再雇用されるが、平成37年3月31日まではの間は、段階的に基準の対象となる年齢が異なるのです。
つまり、希望者全員が65歳まで再雇用されない
また、会社は、労働条件が折り合わなかったということで、結果として再雇用できなかったとしても、法律違反にはなりません。
非組合員、管理職も、再雇用制度が適応されることも付け加えておきます。
業務内容
再雇用後の業務は、普通は、定年前の業務であることが多いが、まったく異なる仕事を与えられることもあります。
2つの大きな原則があります。
再雇用社員は、定年前の業務内容と異なる業務内容でもよい。
再雇用社員は、全く個別の職種とすることは原則できません。
給与
再雇用社員は、仕事の内容、責任の程度が正規社員と違うことで、賃金の差をつけてもいいのです。
仕事の内容、責任の程度が同じ場合には、年収の2割の差は許される。
退職金は、支給されないのが一般的であるが、賞与は、支給されることが多い。
通勤手当は支給されるが、住宅手当、家族手当は支給されなくても法律に違反しない。
社会保険
健康保険は75歳まで加入するが、就業時間が減らせば加入しなくてもよい。
厚生年金保険は70歳まで加入するが、就業時間が減らせば加入しなくてもよい。
雇用保険は加入するが、労働時間が20時間未満は不要である。
まとめ
65歳までは、制度上、希望すれば、65歳まで再雇用されるが、再雇用の条件は、厳しいものかもしれません。
再雇用は、会社側にとっても、多くはありがたいものではなく、残された社員にとっても、老害社員が残ることは、心良く思っていない場合が多いのです。
再雇用社員にとっても、責任と権限、モチベーションの維持が課題となります。
再雇用は、思ったより、居心地がいいものではなさそうです。