日本は、今、ものの値段が上がるというインフレの中にいます。東京電力が、電気料金を、3割上げるという申請をしていますね。今後、ますます、インフレが続きます。
賃金が上がるインフレは、よいインフレといいます。政府は、賃金を上げるように企業に圧力をかけています。政府は、インフレ率を上回る賃上げと言っています。
働いている人は、いいです。給与を上げるすべがいくつもあります。高齢者の年金は、どうにもなりません。本来ならば、年金は、インフレに対応している制度ですが、残念ながら、受給率がインフレ率となりません。それは、そうさせない「マクロ経済スライド」というしくみがあるからです。
マクロ経済スライドとは
マクロスライドとは
賃金や物価による改定率から、現役の被保険者の減少と平均余命の伸びに応じて算出した「スライド調整率」を差し引くことによって、年金の給付水準を調整します。
年金機構より
年金機構より
つまり、物価・賃金上昇の時には、年金は、調整率分だけ、減らされ続けるわけです。
2023年度実質受給率は
年金額は68歳以上が前年の物価変動率(22年は2.5%)、67歳以下が過去3年間の賃金変動率(19~21年度平均は2.8%)に基づき、決定されます。
マクロ経済スライドにより、「0.6%」が引き下げられることになります。
したがって年金実質上昇率は、以下となります。
変動率 | マクロ スライド | 実質上昇率 | |
68歳以上 | 2.5% | -0.6% | 1.9% |
67歳以下 | 2.8% | -0.6% | 2.2% |
実際の年金額
67歳以下では、国民年金が月額64,816円で、今年度より1,425円増え、厚生年金は夫婦2人の標準的な世帯で月額219,593円で、4,831円増える。
2022年 | 2023年 | |
国民年金 | 64,816円 | 66,241円 |
厚生年金※(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額) | 219,593円 | 224,424円 |
追記記事
リアルな年金支給額
我が家の年金支給額をまとめてみました。
平成4年 | 平成5年 |
-0.87% | +1.89% |
実質上昇率とマッチングしました。ニッセン基礎研究所によれば、
消費者物価上昇率(生鮮食品を除く総合)は、2023年度が2.8%、2024年度が1.6%と予想する。
ニッセン基礎研究所HPより
年金支給額は、実質目減りするということになります。
まとめ
2023年度は、インフレ率に対して満額でありませんが、受給額が増えます。この調子でいけば、年金は、将来価値は、半分ぐらいになるかもしれません。
年金だけでは、老後の生活は、できないといわれています。今後、インフレが続くと、年金だけで不足する額がさらに拡大していきます。老後のための蓄えが必要なだけでなく、リタイアする時期を出来る限り遅らせることを若いうちから考えていくことが大切です。自分だけで稼ぐ力が大切なのです。