経済的に考えると、学生寮に入りました。学生寮に入るには、収入制限がありましたが、審査は、無事通りました。
私が、入寮した年に、学生寮は、新築となりました。とても、よい時期に入寮できたと思っていましたが、この学生寮は、思ったものとは違ったのだった。
・寮では、食事が提供されない。嘘みたいな話だが、各自が自炊する。各階には、キッチンが準備されていて、自炊をする。
入寮してみたら、食事当番があり、下級生が持ち回りで、食事を準備するシステムになっていた。
・寮は、3階建て、1つの階に20名、完全個室であった。共用部の電気料金は、学校が負担、個室は、各自が負担となります。私が目にしたことは、驚くべきことだった。共用部の廊下のコンセントから延長コードを使って、各自の部屋に電気を引いて使っていた。節約だといっていたが?
・入寮後、夜は、談話室に新入生は、集められ、寮歌の練習をする。寮歌は、第一から第二十まであり、連日徹夜だった。夜、先輩たちが、寮に帰ってくると、一年生は、この寮歌を歌って出迎える。いつの時代だ?
・ほぼ毎日、先輩の部屋で、飲み会。勉強もせず、何のために、大学に進んだのか、この人たちは?
・新入生は、談話室に集められて、「三里塚闘争」についてのレクチャーを受ける。そのとき、三里塚と書かれたメルメットとベストを渡される。休日に召集されるが、私は、用事を作って、1回も参加しなかった。
・学生でない人が、数人、寮に住んでいることに気がついた。この人たちは、何だろうと思っていたが、後に判明する。
・日曜日、外が騒がしいので、覗いてみると、寮の周りを機動隊が囲んでいた。拡声器で、「出てこい」みたいなことを叫んでいた。そのうち、機動隊が、学生でない人がいる部屋に突入。
後で聞いた話、学生でない人は、学生運動をしている人ということだった。詳しくは、聞かないことにした。
学生寮は、完全に学生がコントロールしていて、やりたい放題でした。ここが住み良いという人もいましたが、新入生の大半は、夏休み前までには、退寮していきました。
私は、機動隊の事件の後、すぐに退寮しました。退寮するときには、揉めました。1週間ぐらい、寮長、副寮長の部屋で、説得の酒盛りでした。こういうのがいやなんです。わからないのかな?と思っていました。
寮にはいってよかったことがありました。それは、新入生として、入寮した仲間とは、短期間とはいえ、閉鎖空間のなかで、同じ釜の飯を食べました。親友とは違う、特別な強い絆を持っていました。この仲間とは、卒業するまで、良き友でした。