年金にかかる税金の主なものは、所得税、住民税があります。
その他家を所有していれば、固定資産税、車を所有していれば、自動車税がかります。
少ない支給額の年金は、まるまるもらえるわけではないのです。所得税と住民税の計算についてまとめてみました。
所得税の計算
雑所得金額計算
所得金額=年金所得ー控除金額
65歳未満の控除金額
公的年金等の収入金額 | 控除額 |
60万円以下 | 全額 |
60万円超130万円未満 | 60万円 |
130万円超410万円未満 | 年金額×25%+27万5千円 |
410万円超770万円未満 | 年金額×15%+68万5千円 |
770万円超1000万円未満 | 年金額×5%+145万5千円 |
1000万円以上 | 195万5千円 |
65歳以上の控除金額
公的年金等の収入金額 | 控除金額 |
110万円以下 | 全額 |
110万円超330万円未満 | 110万円 |
330万円超410万円未満 | 年金額×25%+27万5千円 |
410万円超770万円未満 | 年金額×15%+68万5千円 |
770万円超1000万円未満 | 年金額×5%+145万5千円 |
1000万円以上 | 195万5千円 |
令和2年から
課税所得計算
課税所得=所得金額ー所得控除
所得控除の種類 | 控除額 |
基礎控除 | 48万円 |
配偶者控除(配偶者70歳未満) | 38万円 |
配偶者控除(配偶者70歳以上) | 48万円 |
扶養控除(一般) | 38万円 |
扶養控除(特定:16歳から22歳) | 63万円 |
老人(同居) | 58万円 |
老人(別居) | 48万円 |
所得税額
所得税額=課税所得金額✕税率ー控除額
課税所得金額 | 税率 | 控除額 |
195万円以下 | 5% | 0 |
195万円超330万円以下 | 10% | 9.75万円 |
300万円超695万円以下 | 20% | 42.75万円 |
695万円超900万円以下 | 23% | 63.6万円 |
900万円超1800万円以下 | 33% | 153.6万円 |
1800万円超4000万円以下 | 40% | 279.6万円 |
4000万円超 | 45% | 479.6万円 |
源泉徴収がある場合は所得税額から源泉徴収額を差し引く
源泉徴収について
65歳未満、108万円以下、65歳以上、158万円以下は、源泉徴収されません。
源泉徴収が発行される場合は、「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」の提出を忘れずに。
所得税率が、提出未の場合は、10.21%、提出済の場合は、5.105%となります。
確定申告不要制度とは
- 公的年金等の受給額が400万円以下
- 公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下
の場合は、確定申告が不要です。
住民税の計算
住民税は、所得に応じて、県に納める税と市に納める税と、均等割といい、一律納める税があります。
均等割は、地方自治体により異なる場合があります。
所得金額
所得税と同じ
課税所得
課税所得=年金ー所得控除
所得控除の種類 | 控除額 |
基礎控除 | 48万円 |
配偶者控除(配偶者70歳未満) | 33万円 |
配偶者控除(配偶者70歳以上) | 38万円 |
扶養控除(一般) | 33万円 |
扶養控除(特定:16歳から22歳) | 45万円 |
扶養控除(老人同居) | 45万円 |
扶養控除(老人別居) | 38万円 |
住民税額
住民税=課税所得額✕(市区町村分6%+都道府県分4%)+均等割額ー調整控除額
調整控除額
配偶者控除、扶養控除、基礎控除について、所得税と住民税の間に控除額の差が生じているため、その差による影響をなくす目的で平成19年から始まった制度です。
課税所得額200万円以下
1.所得税との人的控除額の差の合計
2.課税される金額
調整控除額=1と2のいずれか小さい方×5%
課税所得額200万円以上
1.所得税との人的控除額の差の合計
2.課税される金額-200万円
調整控除額=(1 – 2)×5% ただし、2,500円未満になる場合は2,500円
年金にかかる税金を実際計算してみる
前提条件
65歳 一人暮らし
年金 200万円
【所得税】赤字令和2年以降
所得金額:200万円ー120110万円=8090万円
課税所得:8090万円ー3848万円=42万円(基礎控除のみ)
所得税額:42万円✕5%=2.1万円
【住民税】
所得金額:200万円ー120110円=8090万円
課税所得:8090万円ー3343万円=47万円(基礎控除のみ)
調整控除額
所得税との人的控除額の差:3848万円ー3343万円=5万円
課税所得:47万円
5万円<47万円・・・・5万円✕5%=0.25万円・・・調整控除額
住民税額:47万円✕10%ー0.25万円+均等額(行政により異なる)=4.45万円+均等額
まとめ
年金といえども、雑所得となるため、ここで計算したように、所得税と住民税がかかります。
年金を受給する前に、年金と税金の関係を把握しておき、老後生活にそなえておきましょう。