一人暮らしの心配事
家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 令和元年年調査結果によれば、老後生活が心配と答えた一人暮らしは、85.6%(前回83.1%)であった。
この結果は、二人以上の世帯の81.2%を上回っている。
また、一人暮らしの心配事の理由の第一位は、十分な金融資産がないことなのである。
これは、金融資産がないというより、老後の生活費がどの程度かかるかわからないため、漠然としたお金の不安である。
子供の支援、配偶者の支援も得られないことが、お金不足への不安をさらにあおっているのである。
一人暮らしのずばり生活費はいくらか
家計調査報告(家計収支編)平成29年によれば、高齢者の一人暮らしでは、一ヶ月の生活費は、142,198円となります。
<追記>家計調査報告(家計収支編)令和元年によれば、高齢者の一人暮らしでは、一ヶ月の生活費は、139,739円となります。
住宅費が、現実とあっていないところがありますので、実際支払っている賃貸料の上乗せして考える必要があります。
夫婦二人の場合と比較して、一人暮らしだから、生活費が、半分にはならないことに注意しましょう。
一人暮らしと夫婦二人を同様の家計調査報告からまとめてみると、下表となり、一人暮らしは、夫婦二人の6割という結果でした。
単身者(2019年) | 夫婦(2019年) | 単身者/夫婦 | |
---|---|---|---|
食料 | 35,883 | 66,458 | 54% |
住宅 | 12,916 | 13,625 | 95% |
光熱・水道 | 13,055 | 19,983 | 65% |
家具・家事用品 | 5,681 | 10,100 | 65% |
被服・履物 | 3,659 | 6,065 | 60% |
保険医療 | 8,445 | 15,759 | 54% |
交通・通信 | 13,117 | 28,328 | 46% |
教育 | 47 | 20 | 235% |
教養娯楽 | 16,547 | 24,804 | 67% |
諸雑費 | 14,366 | 20,845 | 69% |
交際費 | 15,258 | 25,749 | 50% |
仕送り | 569 | 1,134 | 50% |
直接税 | 6,245 | 11,976 | 52% |
社会保険料 | 5,808 | 18,966 | 31% |
計 | 139,739 | 239,947 | 58% |
「一人(ひとり)口(ぐち)は食(く)えぬが二人口(ふたりぐち)は食(く)える」ということわざがありますが、まさに夫婦二人の老後生活というのは、メリットがあるということですね。
男の一人暮らしは注意が必要
男の一人暮らしのデメリットは、お金だけではありません。
特に、男の一人暮らしは経済的不安より、生活全般の管理に不安があります。
健康のためにも、栄養バランスの取れた食事や野菜を多く取るなど、毎日の積み重ねがとても大切ですが、男の一人暮らしでは、なかなか実行できません。
これでは、老後の最大の不安材料である健康面で、赤信号が点灯してしまいます。
健康面の不安は、医療費を直撃するのです。
お金の心配と合わせて、家事力を上げておく必要があります。
まとめ
一人暮らしの生活費は、夫婦二人の6割で、一ヶ月15万円前後となります。
ただし、住宅費は、低めとなっているため、持ち家でない場合は、賃貸料を加えることで、一ヶ月20万円は必要なる場合があります。
最後に、統計上の生活費と、実際は、合わないことが多いですが、将来を考えるときの参考にしてください。