ペイオフ制度
預金が1000万円以上となったら、注意が必要です。金融機関が破綻した場合に、預金が保証されない場合があります。これを、「ペイオフ制度」と言います。
ペイオフ制度は、預金者一人あたり、破綻した金融機関の預金等の元本1,000万円とその利息が最低保護される制度です
ひとつの金融機関に複数の口座がある場合は、合算して計算され、1,000万円を超える部分の保証がされません。
世の中、どれくらいの人が、1,000万円の預金があるか、調べてみますと。
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(令和4年)」によると、貯蓄1,000万円以上を保有している世帯の割合は、次のとおりです。単身世帯:21.3%、 二人以上の世帯:32.2%
という結果です。
思ったより多いでしょうか、少ないでしょうか。
資産運用
まずは資産運用を考えましょう。たとえば、新NIAS制度を活用して、積み立て投資をしてみるのが、手軽にできる方法です。預金の利息は、普通預金で、0.1%程度しかありません。たとえば、投資信託であるオルカンの利回りは、20年〜30年で、6%〜7%となります。なんと、預金の60倍〜70倍にもなります。
オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー))は、三菱UFJアセットマネジメントが提供する投資信託の銘柄で、日本を含む先進国や新興国の株式に分散投資できるファンドです。
投資信託は、元本が保証されていません。赤字になることも、頭にいれておかなければなりません。たとえ、赤字になっても、長く保有していれば、黒字化する可能性もあります。
国債
投資信託のように、元本割れをおこして、お金が目減りすることが嫌な場合は、預金の一部で国債を購入することを考えてもよいでしょう。国債は、国が発行する債券で、利子や元本の支払(償還)を国が責任を持って行うものです。国が破綻しなければ、元本割れすることはありません。また、国が破綻する前に、銀行が破綻しますから、安心できます。
2024年12月14日時点の日本国債の金利は次のとおりです。日本国債3年:0.580、日本国債5年:0.698%、 日本国債10年:1.042%となっています。
預金分割
最後に、投信も債券も嫌だという場合には、預金を1,000万円単位で、複数の銀行に預けることがよいでしょう。銀行口座を複数もつと、管理が煩雑になるというデメリットもありますが、一方、目的別の預金口座をもつことなるというメリットもあります。
たとえば、生活費、使い道のあるお金、当面は使わないお金に分けて、3つぐらいの口座で運用するのもいい方法だと思います。
口座は、自宅から近い、ATM手数料ない、金利がよいなどを整理して決めた方がよいでしょう。
銀行名 | 形態 | 金利 | 立地(自宅) | 他行ATM連携 | 特徴 |
A銀行 | リアル | 0.1% | 1km | セブン銀行 | 給与振込 |
B銀行 | ネット | 0.15% | × | 連携なし | カード支払い口座 |
C銀行 | リアル | 0.1% | 700m | 4回無料 | 証券口座 |
まとめ
預金1,000万円を超えた場合は、まずは、口座分割を考えましょう。その時は、銀行の使い勝手をまとめて評価して決めましょう。老後を考えた場合、徒歩圏内に銀行があればベストですね。
資産運用は、長期に使わないお金がある場合に限り、検討してもよいのではないでしょうか。