年金の繰り下げることにより、年金が増えますが、医療費は、増えるのでしょうか。
実際支払う医療費
年間医療費の負担割合を掛け算して、実際の支払う医療費を計算する。例えば、後期高齢者の場合、1割負担では、9.3万円、2割負担では、18.6万円、3割負担では、27.9万円が、実際に支払う年間医療費となります。
年齢 | 年間医療費 | 1割 | 2割 | 3割 | |
国保前期 | 65歳以上 | 75.4万円 | – | 15.08万円 | 22.62万円 |
国保後期 | 70歳以上 | 83.5万円 | – | 16.7万円 | 25.05万円 |
後期高齢 | 75歳以上 | 93.0万円 | 9.3万円 | 18.6万円 | 27.9万円 |
繰り下げによる年金増分と医療費負担割合
年金繰り下げ
年金を1ヶ月繰り下げると、年金は、0.7%増える。1年繰り下げると、年金は、8.4%増える。
医療費負担割合
年収 | 負担負担 |
200万円以上 | 2割負担 |
382万円以上 | 3割負担 |
試算結果
ケース1 65歳 175万円(年金平均月額146,262円✖️12)
繰り下げ年齢 | 65歳 | 66歳 | 67歳 | 68歳 | 69歳 | 70歳 |
繰り下げ年数 | 0年 | 1年 | 2年 | 3年 | 4年 | 5年 |
年金額(年額) | 175万円 | 189.7万円 | 204.4万円 | 219.1万円 | 233.8万円 | 248.5万円 |
年金増分 | 0 | 14.7万円 | 29.4万円 | 44.1万円 | 55.8万円 | 73.5万円 |
国保前期負担割合 | 3割 | 3割 | 3割 | 3割 | 3割 | 3割 |
国保後期負担割合 | 2割 | 2割 | 2割 | 2割 | 2割 | 2割 |
後期高齢負担割合 | 1割 | 1割 | 2割 | 2割 | 2割 | 2割 |
ケース2 65歳 200万円
繰り下げ年齢 | 65歳 | 66歳 | 67歳 | 68歳 | 69歳 | 70歳 |
繰り下げ年数 | 0年 | 1年 | 2年 | 3年 | 4年 | 5年 |
年金額 | 200万円 | 216.8万円 | 233.6万円 | 250.5万円 | 267.2万円 | 284万円 |
増える金額 | 0万円 | 16.8万円 | 33.6万円 | 50.5万円 | 67.2万円 | 84万円 |
国保前期負担割合 | 3割 | 3割 | 3割 | 3割 | 3割 | 3割 |
国保後期負担割合 | 2割 | 2割 | 2割 | 2割 | 2割 | 2割 |
後期高齢負担割合 | 2割 | 2割 | 2割 | 2割 | 2割 | 2割 |
ケース1の場合、2年繰り下げを行うと、年金が200万円をオーバーするため、後期高齢の医療費負担が2割負担となり、医療費は、9.3万円増える。年金増分は、29.4万円のため、医療費増分以上に年金がもらえる。
ケース2の場合は、年金が200万円をオーバーしているので、後期高齢の医療費負担が2割負担となっているので、繰り下げにより、医療費が増えることはない。
まとめ
今回試算したケース1のように、繰り下げによる年金増えることにより、医療費は増える場合があるので、注意が必要です。また、年金支給額が増えると、所得税、住民税が増えるので、繰り下げによる効果は、減ります。
資産を切り崩して、年金を繰り下げた方が良いかは、個人個人で考えましょう。