厚生年金保険料の改定のしくみ
厚生年金保険料の計算式
厚生年金保険料の計算は、
標準報酬月額×保険料率となります。
標準報酬月額は、基本給+各種手当(通勤手当、家族手当など)の報酬額により、1等級から31等級まであります。
標準報酬月額は、定時改定と随意改定に決定されます。
定時改定
毎年4月、5月、6月の3ヶ月間の給与平均額を元にして、標準報酬月額を計算し、その年の9月から翌年8月分までの厚生年金保険料を決めます。
随意改定
翌年8月までの間に、報酬に変動があった場合にも、標準報酬月額が改定されます。変動があった月を含めて、3ヶ月の報酬の平均額から、標準報酬月額を求め、2等級以上の差があった場合に報酬月額が改定されます。
改定は、変動があった月から4ヶ月目に標準報酬月額、厚生年金保険料が変わります。
新型コロナによる標準報酬月額の特例
2020年、新型コロナウイルス感染症の影響により休業した方で、休業により報酬が著しく下がった方について、一定の条件に該当する場合は、事業主からの届出により、健康保険・厚生年金保険料の標準報酬月額を、通常の随時改定(4か月目に改定)によらず、特例により翌月から改定可能です。
(厚生労働省HPより)
等級が新設
令和2年9月分の厚生年金保険料の標準報酬月額が改定となりました。
現状は、1等級から31等級に対対して、新たに「32等級」が追加されました。
「32等級」は、標準報酬月額65万円で、標準月額が、63万5,000円以上となります。下表の一番下段です。
保険料は受給額に直結
「32等級」の追加により、31等級から32等級となったことにより、納める厚生年金保険料の負担は、増えますが、納めた分、老齢厚生年金の受給額には反映されます。
まとめ
9月より、32等級になる方は、厚生年金保険料が、5万9,475円となります。31等級の時に比べて、2,745円分負担が増えます。
普段、給与明細をよく見ていない方も、この機会に、給与明細を確認してみましょう。ともすれば、給与天引きとなっているサラリーマンは、税金、保険料などの月々の支払いに無頓着となっています。もしかすると、計算がまちがっているかもしれませんよ。