老後生活を送るにあたり、心配事の一つに、医療費があります。高齢になると病気にかかるリスクも高くなります。老後の医療費は、どのくらいかかるのでしょうか。
老後に発病リスクの高い病気
歳を重ねると、病気を発症するリスクが高くなってきます。
老人の発病リスクが、高い病気は、「脳血管疾患」、「悪性新生物」、「高血圧性疾患」の三つです。
脳血管疾患とは、脳梗塞、脳出血などです。悪性新生物とは、がんのことです。例えば、肺がん、胃がんなどです。高血圧性疾患とは、脳梗塞や脳出血、狭心症や心筋梗塞などです。どれも、重たい病気です。
入院費
発病リスクの高い病気の入院費を見てみましょう。全日本病院協会のHPよれば、
病名 | 入院費(円) | 自己負担額 (1割負担) |
胃がん | 946,748 | 94,674 |
結腸がん | 880,416 | 88,041 |
直腸がん | 923,660 | 92,366 |
気管支及び肺がん | 823,923 | 82,392 |
急性心筋梗塞 | 1723,225 | 172,322 |
肺炎 | 723,449 | 72,344 |
脳梗塞 | 1,513,128 | 151,312 |
脳出血 | 1,868,914 | 186,891 |
糖尿病 | 621,569 | 62,156 |
大腿骨頸部骨折 | 2,054,085 | 205,408 |
胃潰瘍 | 725,596 | 72,559 |
白内障 | 224,172 | 22,417 |
狭心症 | 558,816 | 55,881 |
となります。この費用は、現金で準備するか、保険などで備えておくことが必要です。
自己負担額すべてを支払う必要があるわけではありません。「高額療養費制度」より、1ヵ月あたりの自己負担額限度額を超えた分は、払い戻されことも覚えておきましょう、
入院費以外の費用
治療にかかる費用以外にも、入院時にかかる費用があります。、
差額ベッド代
個室、二人部屋などを希望する場合に発生する費用です。この費用は、全額自己負担となります。1日あたり、5,000円から15,000円ぐらいかかります。
食事代
入院中に病院から提供される食事代については、自己負担額が全国一律で1食460円と決められています。
交通費
付き添いや面会のために家族が病院を行く費用は、自己負担となります。
生活費
テレビ視聴代、洗濯代などの生活に必要な費用は、すべて自己負担となります。テレビ視聴代は、1,000円で1日ぐらいです。
入院費以外の費用も、必要であることは、忘れずにいましょう。
脳梗塞で入院時の実際かかった費用
身内で脳梗塞を発症して約25日間入院したときの、実際にかかった入院費を参考にまとめてみました。
請求額 | 1割負担 | 高額医療制度 | |
治療費 | 1,093,490 | 109,349 | 57,600 |
食事他 | 34,040 | 34,040 | 34,040 |
合計 | 1,127,530 | 143,389 | 91,640 |
比較的に軽度な脳梗塞でしたが、110万円近くの費用がかかっています。この表を見て、後期高齢者保険と高額医療制度により、負担額が10分の1以下になっています。また、脳梗塞の場合は、治療入院費の他にリハビリ費用がかかります。
請求額 | 1割負担 | 高額医療制度 | |
治療費 | 1,623,100 | 162,310 | 57,600 |
食事他 | 65,389 | 65,389 | 65,389 |
合計 | 1,688,489 | 227,699 | 122,989 |
まとめ
老後の医療費は、国の社会保険制度が破綻していない限り、大きな心配はないようです。保険に入らずとも、高齢者で、現役世代並みの収入を得ていないのならば、1回の入院に10万円程度準備しておけば良さそうです。
最後に、老後を年金で生活する場合は、病気で入院しても医療費だけを準備すれば良いが、働いている場合は、収入減となってしまいます。このリスクについても、保険等で準備しておく必要があることをお忘れなく。