2019年財政検証結果
厚生労働省の財政検証結果の結論
ケースⅣ、ケースⅤ、ケースⅥでは、所得代替率が、50%を下回るが、50%を下回るため、国は、増税や、年金支給年齢のさらなる繰り延べという政策が取られるだろう。
検証結果の疑問
この試算では、賃金が上昇する前提となっているが、賃金が、物価上昇とリンクしてあがるだろうか。
過去20年(1996年〜2015年)の経済成長率は、0.8%に対して、現金給与総額は、−0.7%であった。
賃金があがらないと、年金は、上がっていかない。
物価が上がり、賃金が同等に上がらず、年金は、その賃金にリンクするため、年金<賃金から、さらに年金は、下がるのだ。
どうにも腑に落ちないのは、所得代替率の定義が、現役男子の手取り収入に対する年金額である。
なにかおかしくないか?年金額は、手取りではないのだ。
年金は、税金が引かれるのだ。
厚生労働省の報告では、50%できているというが、年金の税金分を含めると本当に確保できているのだろうか。
現役世代の収入の50%というが、そもそも現役世代の収入とはいくらか・・。
ツッコミどころだらけの報告書なのだ。
年金の目減り
ケースⅠからケースⅥのそれぞれ2060年に支給される年金額の現在価値は、2019年に対して、44%〜82%に減少することになる。
年金は、2019年が最大でそれ以降減る一方なのです。
物価上昇率が高い、つまり、インフレ局面では、年金の目減りは、さらに大きくなるのだ。
将来、物価上昇率が、政府目標値2%を達成すれば、年金生活者にとっては、厳しい老後生活となるのだ。
キャッシュ・フロー表での考え方
キャッシュ・フロー表では、年金支給額をどのように考えるか。
キャッシュ・フロー表上において、物価上昇率をどの程度で見込むかにより、将来の年金支給額が異なる。
たとえば、物価上昇率1.1%とすれば、キャッシュ・フロー表上では、年金支給額は、2019年に対して、▲0.01%つまり変わらないということになる。
ここでは、物価上昇を1.1%として、年金は、据え置きとして、キャッシュ・フロー表を完成させよう。
まとめ
将来の年金は、目減っていき、年金だけでは生活が難しくなるのだ。
老後生活のお金の柱であることには違いないが、老後を年金だけに頼るのは、赤信号なのを再確認したということです。