年金支給額の改訂には、ルールがあります。そのルールに従って、年金支給額が改訂されます。
年金額改定ルールのおさらい
マクロ経済スライド
現在の高齢者に配慮しつつ、できるだけ早期に調整を行い、将来年金を受給することになる世代の年金の給付水準を確保するため、名目下限措置を維持しつつ、賃金・物価が上昇したときに、過去に調整できず繰り越した未調整分(キャリーオーバー)を調整する仕組みを導入することとしました。(平成30年4月~)
年金の支え手である現役世代の負担能力(賃金)が低下しているときは、これにあわせて年金額を改定する考え方が徹底されるよう、ルールの見直しを行います。具体的には、物価に比べ賃金が名目でも実質でも低下する場合には、賃金の変化に合わせて年金額を改定(賃金スライド)するよう、年金額の改定ルールを見直します。(平成33年4月~)
(厚生労働省HPより)
マクロ経済スライドが、働かない場合に、下げられなかった分をキャリーオーバーして、好景気の局面で、未調整分を調整する(カット)するということ。
だだし、前年よりも額面で下がらないということが前提です。
これまでのルールでは、物価は上がり賃金が下がった場合は年金額は据え置き、物価も賃金も下がったが賃金の下げ幅がより大きい場合は物価に基づき改定となっていました。
この2つの場合において、賃金の変動を元に年金額を変動される。
過去の年金支給額の推移
令和2年度は、令和元年度に対して、年金支給額は、+0.2%の増加となっています。
令和2年度(月額) | 令和元年度(月額) | |
国民年金(老齢基礎年金(満額)) | 65,141円 | 65,008円 |
厚生年金※(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額) | 220,724円 | 220,266円 |
まとめ
年金の支給額は、景気=物価と賃金により、変化する。物価が上がっても、それに連動して上がらず、さらに、賃金が、上がらなければ、たとえ、物価が上がっても、年金は据え置きとなる。
将来、年金は、ゼロにはならないが、年金だけで、生活していくには、厳しい現実が待っている。つまり、年金支給額は、減っていくでしょう。
年金制度が変更される時は、内容を理解して、それに対する備えをしておくことが肝要です。