在職老齢年金とは
定年後、働かずに年金を受け取る時代から、働きながら年金を受け取る時代となった。
働きながら受け取る年金のことを在職老齢年金という。
平成 28 年度末の在職高齢年金を受け取っている人は、320 万人となっており、前年度末に比べて 16 万人(5.4%)の増加となっている。
問題は、在職高齢年金を受け取っている人は、ある一定の所得以上で、受け取る年金がカットされることである。
具体的にはいくらカットされるのだろうか。
2019年12月 情報追記
在職老齢年金年金の見直しが検討されている。
65歳以上は、変更せず、60歳から65歳を「28万円超」から、「47万円超」に引き上げる方向で調整中である。
年齢でカットされる金額が異なる
60歳から65歳の間仕事をしている場合
補足
基本月額:加給年金額を除いた老齢厚生年金の月額
総報酬月額相当額:その月の標準報酬月額+(直近1年間の標準賞与額の合計)÷12
計算例
・老齢厚生年金 10万円 標準報酬月額15万円 賞与なしの場合
10万円+15万円<28万円・・・・年金10万円は全額支給
・老齢厚生年金 15万円 標準報酬月額15万円 賞与なしの場合
15万円+15万円=30万円>28万円
年金 15万円<28万円 給与 15万円<46万円
15万円ー(15万円+15万円−28万円)=15万円ー2万円=13万円・・・年金支給額カット2万円
・老齢厚生年金 30万円 標準報酬月額15万円 賞与60万円の場合
30万円+15万円+60万円÷12=50万円>28万円
年金 30万円>28万円 給与 20万円<46万円
30万円ー20万円÷2=20万円・・・年金支給額カット10万円
65歳以上の場合
カットされても仕事をやめれば戻ってくるのか
年金支給額が減額された分は、後からもらえるのだろうか。
残念ながら、カットされた分の年金は、受け取ることができないのである。
カットされたくなかったら、厚生年金に加入しなければよいのだが、自分の意思で、脱退できるないのである。
高齢者雇用継続給付と在職老齢年金
高齢者雇用継続給付を受けている場合、年金は、標準報酬月額に調整率を掛け算した分が、カットされます。
厚生者雇用継続給付
賃金額が60歳到達時の75%未満となった方を対象に、
賃金額の0.44 ~ 15%に相当する額が雇用保険等から支払われるもの
計算例
老齢厚生年金10万円 60歳になって、給与が35万円から20万円となった場合
老齢厚生年金 10万円 標準報酬額相当額 20万円
10万円+20万円>28万円
年金 10万円<28万円 給与 20万円<46万円
10万円ー(20万円+10万円ー28万円)÷2=8万円・・・・支給額2万円のカット
標準報酬額相当額÷60歳時の給与=20万円÷35万円✕100=57%
早見版より、調整額6%となり、20万円✕6%=1.2万円・・・支給額のカット
まとめると、10万円の年金が、10万円ー2万円ー1.2万円=6.8万円にカットされます。
まとめ
働きながら、年金を受け取ると、年金と給与の合計が、60歳から65歳で、26万円、65歳以上で46万円に壁があるます。
この壁を超える場合は、年金が減額されるというわけです。
まずは、この壁を理解しておきましょう。
壁があるからと言って、働かないことがいいことなんでしょうか。
年金の目的は、働けなくなったときの終身保険なのです。年金がカットされて損をしたという発想は、そもそもおかしいなことです。
元気で、働けることに感謝しましょう。
そのうち働けなくなりますから、その時は、胸をはって年金を満額受け取りましょう。