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インフレによる老後資産の目減りに注意、手持ち資産が6割減

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物の価格が上がることをインフレと言い、物の価格が下がることをデフレと言います。老後生活において、影響が大きいのは、インフレです。物価の上げ下げを表す指標として、消費者物価指数(CPI)があります。

物の価格が上がるということは、お金の価値が下がるということです。お金の価値が下がると、老後生活への影響が大きいということです。

消費者物価指数 CPI(Consumer Price Index)とは、総務省が毎月発表する統計で、消費者が実際に購入する段階での、商品の小売価格(物価)の変動を表す指数の事です。

物価の老後生活への影響

お金の価値は、物価が上昇することにより、どの程度下がるのでしょうか。消費者物価指数1%、2%の場合に65歳から90歳までの必要な生活費を考えみます。消費者物価指数が高いほど、生活費が増えるます。今、180万円が、90歳では、同じ180万円でも、お金の価値が下がっていると考えられます。

例えば、65歳時点に年間180万円の生活費が必要な場合、消費者物価指数0%、1%、2%の時の90歳時点の生活費はいくらになるでしょうか。

消費者物価指数65歳時生活費90歳時生活費
0%180万円180万円
1%180万円231万円
2%180万円295万円

消費者物価指数が0%の時は、65歳の180万円は、90歳でも180万円となります。消費者物価指数が毎年2%となると、お金の価値が下がって、90歳では、約1.6倍の295万円必要となります。お金の価値は、6割程度に目減りしています。

過去のインフレ率の推移

日本の過去の将来の消費者物価指数はどうだってでしょうか。2017年から2021年について、消費者物価指数の推移は、以下となります。

消費者物価指数推移によれば、最近日本では、2%を越えたことはありません。2020年は、新型コロナの影響で、マイナスとなっています。日本経済は、デフレ状態、ただし、今後の続くとは限りません。新型コロナの影響も加味すれば、予測困難でしょう。

2022年、ロシアのウクライナ侵攻の影響で、物の値段が上がっている。消費者物価指数2%目標は、もうすでに達成しているかもしれない。今後のインフレが進み、老後資産をさらに圧迫する可能性に注意が必要です。(2022年4月追記)

2023年のインフレ率は、IMF推計にて2.73%と、2022年の2.5%から+0.23%となっています。近年の物価の上昇は、天井しらずです。さらに、インフレ率は、上昇していくのでしょうか?(2023年4月追記)

物価安定目標の2%

日本銀行法では、日本銀行の金融政策の理念を「物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資すること」としています。
~中略~
日本銀行は、2013年1月に、「物価安定の目標」を消費者物価の前年比上昇率2%と定め、これをできるだけ早期に実現するという約束をしています。

日本銀行は、「物価安定の目標」として、消費者物価指数を2%にすると言っています。2%に達するまで、マイナス金利政策を実施するとも言っています。

預金しても、お金が増えずに、物価だけが上がっていくという政策を日本は、取り続けるということです。年金生活者にとっては、厳しいですね。

まとめ

今後、インフレになるか、デフレになるか、消費者物価指数は、どのくらいになるか、先のことはわかりません。過去の消費者物価指数が2%を超えていないことや、物価安定目標2%から、消費者物価指数を2%で、老後資産計画を立てれば、安心できるでしょう。

しかし、消費者物価指数2%では、将来必要となるお金が、莫大なものになり、とても準備ができる状況ではありません。したがって、現実としては、消費者物価指数1%程度で、老後資産を準備しておくことからスタートしたらどうでしょうか。

2020年以降の動向をみると、2%の物価上昇を覚悟しておいた方がよさそうです。

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