退職金とは何か
退職金は、年金と共に、老後の生活を支えるものです。
また、ある程度まとまって支給され、30年以上働いた慰労という面もあり、自分のために使いたいと楽しみにしている方も多いと思います。
退職金は法律で決められたものではなく、、会社ごとに規則が定められている制度です。
そのため、原則的に就業規則で定めがなければ、会社は退職金を支払わなくなくてもよいのです。
「平成25年就労条件総合調査結果の概況」(厚生労働省)によると、退職給付制度がある企業は75.5%。4社に1社は退職給付制度がないのです。
先日、派遣社員の方と話す機会があり、就業規則を見せてもらいましたが、退職金の記述はありませんでした。
再雇用された場合の退職金についても、就業規則に記載がなければ、支払われないことになります。
退職金の平均額
退職金は、いくら貰えるのかは、会社の就業規則を確認すれば、おおよその金額はわかります。
また、給与明細などに1回/年には、記載されている企業も多いそうです。
自分の退職金より、他人の退職金の方に興味がある人は、シニアガイドというサイトでは、以下のように世間相場は、2000万円前後です。
退職金の平均額は、60歳の大卒者が、卒業後38年間勤務した場合で「2,374万円」でした。また、高卒で42年間勤務した場合は、総合職で「2,047万円」、生産/現業で「1,821万円」です。(シニアガイドより)
退職金のもらい方
退職金の支給は、退職時にまとめて支払われる一時金と、分割して支払われる年金式があります。
どちらを選択するかは、退職前に決めることになります。
一時金
退職所得控除額(20年未満)=勤続年数✕40万円
退職所得控除額(20年超) =(勤続年数−20)☓70万円+800万円
たとえば、勤続10年の場合
退職所得控除額=10年✕40万円=400万円
となり、勤続40年の場合は
退職所得控除額=(40年−20年)✕70万円+800=2200万円
となる。退職金2200万円までは、税金がかからない。
年金
退職金を年金で受け取る場合には、年金は、公的年金と合わせて、雑所得となるため、ほとんどの人は、課税対象となる。
公的年金等の控除金額は、65歳未満では、70万円、65歳以上では、120万円である。
メリット、デメリット・・・自分の場合で整理してみる
私は、一時金75%、企業年金25%という比率を選択しました。
退職金は、所得税が優遇されていますので、全額一時金と考えましたが、企業年金にすると年利1.5%での運用するという条件があり、60歳から80歳まで、年金25%を選択すると、1.25倍となることから、結論は、一時金75%、年金25%としました。
しかし、今となって考えてみると、企業年金は、雑所得となるため、65歳まで働くとすれば、所得税上問題ありかもしれません。
まとめると、私の失敗は、2つあります。
一つ目は、将来の年金受給額を検討に入れずに、安易に年金を選択したこと、二つ目は、60歳以降も働くことを考慮せず、60歳から年金受給をしたことです。
今更、見直しができるか、確認してみる必要があります。
退職金使いみち
最後に、年金の使いみちのトップ5は、以下のようになります。
大金が入ったからといって、くれぐれも散財せずに、上手に資産運用したい。わたしが、安易に企業年金を選択したのは、資産運用をどうすればよいかのアイデアがなかったことも原因であったような気がします。
- 貯金 52%
- 投資 19%
- ローン返済 8%
- 旅行 5%
- 不動産(リフォーム) 2%
貯金から運用へ
退職金の運用方法としては、以下がある。
- 銀行の退職金運用プラン
- 投資信託
- 定期預金
ポイントは、「減らさないこと」である。虎の子の退職金です、リスクの高い商品に手を出して、こんなはずではなかったとならないようにしたい。
また、資産運用は、鉄則である「分散投資」も忘れずに考えましょう。
まとめ
退職金は、サラリーマンにとっては、一生に一度の大金である。退職金を有効に活用するためには、以下の3点がある。
- 自分の会社の退職金制度を知ること
- 一時金、企業年金どちらがメリットがあるか考えること
- 退職金を手にいれたら、減らさず、少しだけ増やすことを考えること
老後生活の原資となる「虎の子」です、こんなはずではなかったとならないようにしたいものです。