年金だけでは不足する
年金だけでは、安心老後を暮らしていけないという話をよく聞く。
実際どうだろうか。
年金支給額
年金支給額は、平成28年度の基礎年金(国民年金)55,373円、厚生年金147,927円である。
生活費
老後の生活費は、どのくらいかかるのだろうか。
家計調査報告(家計収支編)平成29年によれば、高齢者の一人暮らしでは、一ヶ月の生活費は、142,198円、夫婦二人では、237,682である。
年金不足だけでは不足?
一人暮らしでは、
147,927円ー142,198円=+5,729円
夫婦二人では、(妻専業主婦の場合)
(147,927円+55,373円)ー237,682円=−34,382円
年金では、一人暮らしの場合、生活費だけをまかなえる、夫婦二人では、生活費だけで、赤字という結果である。
将来年金は、減額される可能性が高いことを考えると、一人暮らし、夫婦二人とも、生活費すらカバー出来ない。
生活費以外にもたくさんの出費があるにも関わらず。
公的年金を増やすには
国民年金基金の活用
国民年金基金は、国民年金と厚生年金との差を埋めるために制度である。
厚生年金が、基礎年金の二階部分と同じく、国民年金の二階部分が国民年金基金となるのです。
年金額が増えるだけではなくて、年金保険料が、全額、所得税、住民税の控除となるメリットもあります。
掛け金、年金額については、国民年金基金連合のHPを御覧ください。
付加年金の利用
国民年金の加入者に対して、付加保険料400円を納めることで、年金支給額を上乗せするというしくみです。
付加年金額は、200円✕付加保険料納付月数となっています。つまり、2年で元がとれるしくみとなっている。
やらなければ損というわけです。国民年金基金と同じく、物価スライドには対応していないのが難点です。
厚生年金に加入する
国民年金と厚生年金の差については、2倍以上あります。
できれば、厚生年金に加入することが、年金を増やす近道です。
株式会社、また、従業員が常時5人以上いる個人の会社でも、厚生年金に入ることが義務づかられている。
就職すれば、きっと厚生年金に加入することができる。
働くことが可能ならば、働くことでの年金アップを狙う。
60歳から年金を増やす
65歳以降への年金繰り下げ受給
年金は、基本的には、65歳から支給されますが、年金を65歳より、早くもらうことも、遅れももらうことも可能なのです。
年金を、65歳より遅くもらうことを「年金の繰り下げ」といいます。
年金を繰り下げることで、1ヶ月あたり、+0.7%増やすことできる。
60歳過ぎからの任意加入
現在、国民年金は、強制加入となっていますが、以前は、任意加入の時代もありました。
したがって、保険料を満額納めていない人も多くいます。
60歳以降も、年金保険料を納めることで、保険料を満額にして、65歳から支給される年金を増やすことができます。
また、国民年金基金に合わせて加入することもできるのです。60歳からの5年間を有意義に使いましょう。
まとめ
年金のしくみを理解し、年金を増やす努力をすることです。
知っているか、知らないかは大きな差になってきます。
年金制度は、時代と共に変わっていきます。
年金のことでわからなければ、年金事務所などへ、直接聞きに行けばいいのです。
日頃から、年金への関心を高めつつ、年金を増やすことを考えていきましょう。